東京国立博物館創立150年記念の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」が2022年10月18日から始まった。トーハクにある国宝89件を展示するというので、これだけ一気に見れるのは一生に一度だろうと思い行ってみた。すると、とんでもなく攻めまくりなグッズの数々を発見!
事前に押さえておきたい情報や、購入してきたグッズの紹介をまとめた。行きたいと思っている人はぜひ参考にどうぞ!
周辺もコラボ
JR上野駅でも今回の展示会を後押ししていた。改札を出るとまずドーンと大きな垂れ幕。
さらにコラボメニュー。国宝カード(全89種類・非売品)が2枚もらえる。
博物館に到着すると、ポストが150周年特別仕様になっていた。
ちなみにポケモンのマンホール「ポケふた」は土偶だった。
コラボはしていないが国宝展を見た帰りに、上野や湯島にある老舗のお店巡りも楽しい。
事前に押さえておきたいポイント6つ
「国宝 東京国立博物館のすべて」を見に行きたいと思っている人が、事前に知っておくと現地で慌てずに済むことを6つ挙げてみた。
その1:チケットは予約制
見に行こうと思った当日に現地へ行っても入場はできない。なぜなら、今回の展示会のチケットはすべて日時指定の事前予約制だからだ。当日券の販売はない。行きたいと思う日時を決めて購入しなければならない。しかも、入場日ごとに予約開始日時が違うので要注意だ。
入場日 | 予約開始日時 |
---|---|
10/18~10/30 | 10/4午前10時から |
11/1~11/13 | 10/18午前10時から |
11/15~11/27 | 11/1午前10時から |
11/29~12/11 | 11/15午前10時から |
- 休館日:月曜
- 開館時間:午前9時30分~午後5時
- 金・土曜は午後8時まで開館
その2.国宝は一度に全部見れない
一部を除いて、全期間に国宝89件がすべて展示されているわけではない。実は4つの期間で入れ替えして展示されるのだ。
- 1期(10/18~30)
- 2期(11/1~13)
- 3期(11/15~27)
- 4期(11/29~12/11)
もし89件全て見たいと思ったら、この中の1・2・4期の3回は見に行かなければならない。ただ、大幅に入れ替わるのは1~2期(前期)と3~4期(後期)のタイミングだ。お目当てのものがないなんてことにならないように、事前に公式サイトで目録を確認するのをおすすめする。
なお、入場の際に「国宝スタンプラリー」なる台紙を渡される。1・2・4期を見に行くと、「東博国宝博士認定書」がもらえるぞ。詳細な展示スケジュールはこちらの記事でまとめた。
その3.総合文化展も見れる
「国宝 東京国立博物館のすべて」の半券で総合文化展も見れる。例えば13:30の回に国宝展を予約したとしても、総合文化展はそれ以前に入場して見ていても構わないのだ。今回、国宝は全て国宝展に展示されているが、普段はこちらで展示されたりすることもある。
- 本館:日本ギャラリー
- 平成館:日本の考古
- 東洋館:アジアギャラリー
- 法隆寺宝物館:法隆寺献納宝物
- 黒田記念館:洋画家 黒田清輝作品
これら5つを見ることができる。時間と体力に余裕があるなら見終えてから行くもよし、見る前に行くもよしだ。
その4.作品の写真撮影は禁止
平常展で展示されている時は撮影できるものも、今回は撮影禁止になっている。ただ、2点だけ撮影可能なものもある。それは出口近くにある、「金剛力士立像」と「見返り美人図」だ。AR撮影ポイントがあり、3種類ある好きなフレームのQRコードを読み込んで撮影することができるぞ。
なお、どこを撮ってもいいのか、入口の係員やグッズ売り場の人に直接聞いてみた。建物の外観や内部、グッズ売り場や購入した商品、音声ガイドなども含め動画でなければ構わないと教えてくれた。つまり展示室の展示品以外は撮影可能だ。ただ、混雑している場合はもちろん断られる可能性があるので気をつけよう。
その5.音声ガイドを借りると楽しい
毎回展示会の記事で書いているが、音声ガイドは借りたほうが楽しい。今回の国宝展では600円で借りられる。ガイドを担当するのは、俳優の吉沢亮さんだ。『青天を衝け』で渋沢栄一を演じていた関係か、トーハクが設立した1872年(明治5年)頃の雰囲気が伝わってくる。
操作も展示品の脇のパネルに書かれた数字を押すだけの簡単操作で、もう1回聞きたいと思ったらまた押せばいいだけだ。解説時間は約35分、10/30までの期間の解説件数は22件あった。展示物がどういったものなのか分かると同時に、直接その場で見て確認できるので超おすすめだ。
その6.グッズの会計が混雑している
グッズ売り場の入場規制はなかったが、会計にとても並んだ。ぐるっと階段を囲むように一周し、「最後尾」と札を持った係員がいる状態だ。展示会が混雑している間は、グッズ売り場も同じく混んでいると思って間違いないだろう。商品によっては個数制限がある。
商品が売り切れてしまっても、たまたまタイミングがあえば補充されることもある。だからといっていつまでも店の中で待っているというのは、他のお客さんの迷惑にもなる。あくまでタイミングがあえば補充される程度に考えておこう。
今回グッズを購入する際には、入り口で渡される紙のチケットの提示が必要だった。混雑していたからか1人1会計までで、チケットに会計済みの印をつけられた。今後はどうなるかは分からないが、買い忘れがないように注意しよう。
攻めてるグッズたち
では、どんなグッズが売っているのか、購入してきたものと合わせて紹介していく。
ガチャが面白い
グッズでまず目に入るのが、出口のすぐ近くにあるのカプセルトイのコーナーだ。
- 刀剣缶バッジ(全19種類)1回400円
- アクリルスタンド(全7種類)1回400円
- 博ケシ(全8種類)1回300円
- 缶バッジ(全10種類)1回300円
- シナモロールアクリルスタンド(全6種類)1回500円
自分が行った時にはこれらがあり、1人連続3回までと貼り紙がしてあった。刀剣缶バッジ19種類コンプリートするのは大変そうだ。
埴輪に土偶に銅鐸!?
グッズ売り場に行くと国宝の数々が、様々な形態となって売られている。中でも目に止まったのが埴輪や土偶といったぬいぐるみの数々。ぬいぐるみになった途端、何とも愛らしい姿に見えてならない。しかも良く出来ていて、ぬいぐるみにある模様はプリントではなく刺繍なのだ。
銅鐸抱き枕。抱いて眠ったらどんな夢が見れるのやら…。
土偶フェイスクッション。う~ん、かわいいような怖いような…。
これは買うしかないだろうと、思わず土偶を買ってしまった。
ついでに魔よけのような、光る土偶のリフレクターまで購入。
コラボグッズも満載
キャラのモデルとなった刀剣が展示されている、刀剣乱舞のコラボグッズやシナモロールのコラボグッズなども販売されていた。
展示された6人の紋が入ったバッグや手ぬぐい。図録を入れるのに丁度良いサイズだ。他にもメタルブックマーカー(しおり)なども売っていた。
クリアファイルは今回展示された「三日月宗近」「大包平」「厚藤四郎」「亀甲貞宗」「大般若長光」「小龍景光」6人のキャラが表にあって、裏面はそれぞれの刀となっている。
アクリルスタンドと同じ図柄の埴輪に扮したシナモロールのラバーストラップを購入。これ以外に、アクリルキーホルダーもあった。
ただ、刀剣乱舞のグッズは現在販売されているものが全てではない。11月初旬に描き下ろしイラストのものが発売予定で、その他の追加商品も11月中旬頃に追加される予定がある。
ずっしり重い図録
今回の図録は厚く、もはや凶器になりそうな重厚なものだ。89件の国宝すべてがフルカラーで掲載されている。結構重いので覚悟して持って帰ろう。
- 値段:3000円(税込)
- サイズ:A4変形版(縦297mm×横225mm×厚さ35mm)
- ページ数:348ページ
- 重さ:2kg
まとめと感想
初日に行ったので混雑してあまりよく見れないかと覚悟してたが、意外とスムーズに作品が見れた。もちろん人気のある作品は人垣ができているので順番を待たないと見れない。しかし待つといっても数分だった。入場者同士、譲り合いの精神で配慮していた。
行った時、一番人気があったのは刀剣の「三日月宗近」だった。360度見えるショーケースに展示されていた。正面から見たい場合は待たなければならないが、空いてる裏面に回ってしゃがんで見ればあの三日月型の打ち跡も見れる。フォトスポットも結構混んでいる。AR撮影のQRコードを読み取るのも大変だ。「金剛力士像」は大きいのでいいが、「見返り美人」は小さいので正面から撮りたい場合は待たなければならない。
入場もそんなに混雑せず、並んでから10分も待たないで入れた。とはいえ、曜日や時間帯、天候などによって左右されると思う。遅くまで開館している金曜、祝日や土日などは混雑が予想される。また、大体の展示会は開催終了間近も混雑するので注意だ。経験上、午前中や昼食明けの13時頃が混雑しがちで、閉館間際は比較的空いている。
滞在時間の目安が90分とされているが、入れ替え制ではないので安心できた。ただ思った以上にボリュームがあるのと、絵巻ものとかを全て見たいなら並ばなければならないので、鑑賞時間の配分には注意が必要だ。
たくさんの国宝を見れるのは嬉しい反面、色々なものがごちゃまぜに感じた。だが、それこそが東京国立博物館だと歴史を知ると分かる。元々湯島聖堂博覧会として始まった時、書画や骨董、動植物の剥製など様々なものが展示されていた。中でも人気だったのは名古屋城の金のしゃちほこだったという。
博物館は美術館とは違う。歴史的に価値があったり、珍しいものも展示するのだ。そう気付くとこのごちゃまぜ感こそが、元祖東京国立博物館なのだと理解できた。次の150年後にはどんなものが展示されるのだろう。そんな想像に駆られると同時に、150年の歴史を追体験できる楽しい展示会だった。