根津美術館『甲冑・刀・刀装具』展は同時開催のテーマ展示も面白いので見どころをまとめて紹介

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根津美術館で9月2日から開催中の企画展『甲冑・刀・刀装具』光村ダイジェストコレクションの見どころを紹介。また同時開催のテーマ展示も面白いものがたくさんあったので、これから見に行こうと思っている人は参考にどうぞ!

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刀だけじゃない

南青山にある外観からしておしゃれな美術館。それが根津美術館だ。初代根津嘉一郎氏が実業家・光村利藻氏から買い取ったコレクションの中から、選りすぐったものを今回の『甲冑・刀・刀装具』展で展示する。

中に入るとまるで料亭みたいな雰囲気だが美術館だ。

和モダンなエントランスを抜けていった先が美術館の受付だ。

海外からの観光客が写真を撮りまくっていたのも納得の廊下。

受付を済ませると、大きなタペストリーでお出迎え。展示室内はすべて撮影禁止だ。撮った写真を家に帰って見返すことはできないので、展示物を心行くまでじっくり見ることをおすすめする。

音声ガイドがあるので借りてみた。ヘッドフォンタイプか、片耳タイプかを選べる。

ヘッドフォンタイプを借りた。展示品のそばに番号が書かれていて、そこで数字を押してからPLAYのボタンを押すと聞ける。ボリューム調整は横にある。簡単操作で何度でも聞くことができる。

今回も音声ガイドは大活躍だ。ただ見ているだけでは分からない、いきさつなど詳しい説明があるので深く知りたい人は借りてみよう。

上階に行くと銅像があり、そのそばにも音声ガイドボタンが。

この美術館のコレクションを集めた初代根津嘉一郎氏だった。根津氏のコレクションの一部を、今も一般に公開してくれるのはありがたい。

1階ホールの展示品は同時開催の仏教美術の魅力というテーマ展示のもの。

この仏像は何と高さ3mもあるもので、中国・北斉時代 6世紀のものとなる。

今回の企画展以外にも、同時開催のテーマ展示がいくつかある。1回の入場料でそれらすべてを見る事ができるので、ぜひ他の展示室も回ってみよう。どんなものがあるのか、簡単に表にまとめてみた。

企画名展示場所展示数
『甲冑・刀・刀装具』展示室1・2103点
(重要文化財1点
重要美術品6点)
『仏教美術の魅力』展示室3
ホール・地階
16点
(重要文化財2点)
『古代中国の青銅器』展示室424点
(重要文化財8点
重要美術品3点)
『二月堂焼経』展示室56点
(重要文化財1点
重要美術品2点)
『月見の茶』展示室624点
(重要美術品2点)
『宝飾時計』特別ケース3点

『甲冑・刀・刀装具』展の見どころ

『甲冑・刀・刀装具』は展示室1で甲冑と刀、展示室2で刀装具が展示されている。展示室での写真撮影が禁止なので、文章のみだが見どころをお伝えしたい。

甲冑の重要文化財、黒韋肩取威腹巻は、室町時代当時のままの部分が多い珍しいものだ。目をひく甲冑はやはり、チラシにものっている浅葱紺糸威胴丸具足だ。鮮やかな浅葱紺糸がとにかく印象に残る。さらに甲冑だけでなく、装束一式で展示されているものもある。見事な刺繍の陣羽織を見ると、むしろ陣羽織展を開催してくれないかと思うぐらいだ。

刀ではやはり長光や来國俊あたりが見どころだが、360度見れるケースに展示された短刀2つが面白い。切っ先側に回ってみると、まるで自分が突き刺されるような恐怖すら感じる出来だ。そして日露戦争戦勝記念で作られた、月山貞一作の刀は刀自体に施された装飾に圧倒される。

刀装具はどれも細かな仕事に、ただただ驚くばかりだ。チラシに掲載されている、ドクロをかたどった地獄大夫図鐔は見た目が面白い。中でもびっくりしたのは、加納夏雄作の朽木図鐔と柴田是真作の蜻蛉図鐔という2つの鐔だ。朽木図鐔は鉄で木のように作り、逆に蜻蛉図鐔は皮に漆を塗って鉄のようにしている。ぜひ実物を見比べて見て欲しい。

他のテーマ展示の見どころとしては、もはや根津美術館のキャラクターのような双羊尊は押さえておきたい。そして個人的に驚いたのは、二月堂焼経だ。藍色の紙に記されたプラチナのような輝きを放つ文字は、焼けてもなお美しさを保っている。その美しさは写真や映像では伝わりきらないものがあるので、ぜひ肉眼で見て欲しい。

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『甲冑・刀・刀装具』展はいつまで?どこでやっている?

『甲冑・刀・刀装具』展は根津美術館で開催されている。展示室に入るまでは写真撮影可能だが、展示室はすべて写真撮影禁止となる。

  • 開催地:根津美術館
  • 住所:〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1
  • 電話番号:03-3400-253
  • 開催期間:2023年9月2日(土曜日)~10月15日(日曜日)まで
  • 開催時間:10:00~17:00
  • 休館日:毎週日曜日、ただし9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館、9月19日(火)、10月10日(火)は休館
  • 入館料:一般1300円、学生1000円(障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料)
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庭も見どころ満載

根津美術館の楽しみは展示品だけじゃない。外にある広大な庭園も見どころの1つだ。茶会が開催される建物の数々や…

まるで絵のような水辺には、四季折々の樹木が植えられている。夏は鮮やかな緑が目をひくが、秋になれば紅葉してまた違った風景を見せてくれるはずだ。

池には鯉が泳いでいて、額に赤い丸がある日の丸鯉の姿も。

さらにはパンダのような鯉まで。馴れているようで、そばを通ると近寄ってきてくれる。

中に展示するのではなく、自然の中にこんなものがあったり…

飛び石の1つが歯車みたいになっていたりと、遊び心も満載だ。

木に囲まれた中にひっそりとたたずむ根津カフェ。美術館を利用した人なら、誰でも入ることができる。この日は大盛況で外まで人が並んでいた。

思いっきり反射してしまっているが、価格は南青山という場所を思えば、良心的な部類なのか?ケーキやミートパイなど、食事も提供している。今回は混雑していたので入らなかったが、窓から見た庭園の眺めが良さそうな立地なので機会があれば利用してみたい。

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三館合同キャンペーンについて

美術館に行って分かったことだが、根津美術館・三井記念美術館・五島美術館の三館で合同キャンペーンが開催中だ。

どんなキャンペーンなのか、裏面を見ると書いてあった。詳しく見ていこう。

1つ目の特典はどれか1つの観覧済み入場券を、他のいずれかの2館に入場料を支払う時に提示すると、入場料が100円引きになる

2つ目の特典は3館すべての観覧済み入場券を集めると、今後開催される下記の展覧会のうち1つが無料で見れる

  • 根津美術館:『繡と織-華麗なる日本染織の世界-』2023年12月16日~2024年1月28日
  • 三井記念美術館:『国宝 雪松図と能面×能の意匠』2023年12月8日~2024年1月27日
  • 五島美術館:『茶道具取合せ展』2023年12月13日~2024年2月12日

なかなかの太っ腹企画なので、もし見に行きたい展覧会があるなら、これを機に巡ってみるのをおすすめする。

根津美術館の場合、このかわいらしい双羊尊が観覧済みチケットだ。

裏を見るとちゃんと「三館めぐり」のスタンプが押されている。これを持って残る2つの美術館に行くと、まず100円引きになる。さらに3館分の観覧済みチケットを集めてチラシに貼れば、12月から開催される展覧会のうち1つが無料になる。

他の美術館を巡りたい人はなくさないように、大切に保管しておこう。

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お得な年間パス

東京国立近代美術館国立科学博物館やなど、美術館・博物館には年間パスポートが存在するところもある。意外とお得なので、頻繁に行く人は会員になったほうがいい。ただし、特別展とかは別料金だったりすることが多い。

そこで根津美術館の会員はどんな感じなのか?特典は3つある。

  1. 入館フリーパス
  2. 同伴者1名無料入館
  3. ショップ商品10%割引

年会費は税込8000円だ。これを高いと思うか、安いと思うかは個人によるだろう。ただ、同伴者1名無料なので、例えば友人や家族と会費を折半すれば1人4000円だ。もちろん、会員証は申し込んだ本人のみしか与えられない。

なんと言っても企画展も入館フリーに含まれるのは嬉しい。過去の年間展覧会を見ると、大体年に6~7つは催されている。入館料は企画によって違うが大体1500円~1300円なので、6回見に行けば元が取れる計算だ。2人で毎回見に行くなら3回で元が取れる。

毎年国宝の燕子花図屏風が春先に開催されるので、季節ごとに変わる庭を散策ついでに見に行くのも楽しい。興味がある人は美術館に行った時に入会申請をしよう。

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東洋美術のテーマパーク

今回グッズショップの紹介がないのは、ショップも撮影禁止だったからだ。ちなみに企画展の図録やグッズといったものは、特別に作られてなかった。通常販売されているものの中から、今回の企画展のものを購入するといった感じになる。

展示品で東洋美術を見た後、そこから抜け出してきたような庭園を眺める。疲れたら茶室ならぬカフェで一息つき、お土産をショップで買って帰る。まさに現代のテーマパークといっても過言ではない。

思えば明治時代の富豪は、桁違いの金持ちだったのだと改めて思い知らされる。南青山の地に広大な美術館を構え、収蔵品は国宝や重要文化財といったものも含め7000件以上ある。

元々光村利藻氏のコレクションを、実物を見ることなくまとめて買ったという初代根津氏。当の光村氏は優れた職人を育てるべく、本物の名刀を見せて学ばせたり、仕事を発注して金銭援助をしたという。そんなお金の使い方ができたのも、あの時代ならではなのか。

実は今回原宿駅から美術館まで、表参道を歩いて感じたことがある。立ち並ぶハイブランドに入って行くのは海外の観光客ばかりで、この展覧会もまた、日本語以外の言葉が多く聞こえた。今や海外の人のほうが、余裕があるのだと嫌でも実感させられた。

だが、決して美に触れる機会を忘れないで欲しい。日本にはこんなに素晴らしいものがたくさんあるのだから。と、明治の富豪たちに諭されたような気がする展覧会でもあった。

参考リンク:根津美術館

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