デアゴスティーニ(DeAGOSTINI)の隔週刊「刺しゅうで楽しむスヌーピー&フレンズ」第12号ではスヌーピーグッズ「がま口」を仕上げる…はずなのだが、デアゴさんがやらかした。キットに入ってくるはずの目打ちが入ってこないという大失態。
実際に作ってみて気づいたことなどをレポする。
『刺繍で楽しむスヌーピー&フレンズ』第12号はこんな感じ
第12号は7月12日(火)発売。
今号はこのところ稀にみる厚さで約3.3cm。
開封
全員プレゼントの応募券(赤い三角)は表紙カバーの上の部分。
表紙のカバー、キットはダンボールに挟まっていて、下に本があるという梱包。
ダンボールが重なっているのはいつものことだけれど、これはちょっと多すぎ。
手前にはいつもはない穴があいているぞ。
なにも入っていない。
入っているべきものはちゃんと入って…いない。
今号のキットの内容。
「目打ち」が入っていない。
そして白い紙が入っている。
「お詫びとご案内」というタイトルで、今号のキットに一部変更があるらしい。
「目打ち」が初版の事情により第13号でのご提供となりました。それに伴い、がま口の「口金をつける」の作業を第13号までお待ちいただきたく存じます。
目打ちは次号でキットに入れるから、目打ちが必要な作業は次号まで待ってね。ということらしい。
今号に「目打ち」は入っていない。けど、目打ちは持っているので今号で「がま口」を仕上げることにする。
早速始めていく。
その1.タペストリーの刺繍
今号では「チャーリー・ブラウンとたまご」を刺繍する。制作時間の目安は3時間。前号は2時間半だったので、前号よりも難しいのかなと思いながら始めていく。
本ではチャーリー・ブラウンを全て仕上げてからたまごに取り掛かるのだけれど、筆者は黒い糸の部分を先に全て終わらせた。
チャーリー・ブラウンを刺し終えて、あとはたまご。
たまごが微妙な形だなぁと思いながらもサテンステッチまで終了。
タペストリーの刺繍は無事終了。
タペストリーの刺繍完成
初登場のチャーリー・ブラウンだったけれど、靴紐がどうなっているのかよくわからないのが一番難しかった。プリントされた線が本のように鮮明ではなく、「実物大の図案」を見ながら刺した。
今号で刺繍したのはタペストリー全体のこの赤で囲った部分。
だんだん埋まってきた。
スヌーピーグッズに取り掛かる。
その2.スヌーピーグッズ「がま口」②
本の制作時間のめやすは2時間。前号の「がま口①」は2時間半だったけれど、今回は刺繍が無いので結構すんなりいけそうな予感。
まずは本にある型紙で布を裁断していく。
本をコピーして型紙を作ることにした。
布に型紙で印をつけていく。まぁ、刺繍のしてある布はこれで良しとして…
後ろ布(刺繍のない布)の本の説明は「型紙を写し、切ります。」と、これだけ。
何が問題なのかというと、刺繍していない布の布目は気にしなくていいのか?縦横はどうするの?ということ。筆者以外にも気になる人いると思うんだけどなぁ、気にしなくてもいいということなのか?
筆者がどうやって型紙の縦横を決めたのかを書いておく。正解かどうかはわからないけれど、少なくとも刺繍のある布と同じ布目にはなるので、気になる方の参考になればと思う。
刺繍のある方の布の横の端を見ると、青い糸が出ている。
刺繍のある方の布の上の端を見ると、白い糸が出ている。
後ろ布(刺繍のない布)は、白い糸が出ている辺を上下(縦)に、青い糸が出ている辺を左右(横)にすることで、刺繍のある布と同じ布目にすることができる。
青い糸が細いので、アップにするとこうなっている。青い糸の出ている辺を横にする。これで、刺繍のある布と刺繍のない布の布目が同じになる。
今回の接着芯を貼った布はほとんど縮まなかったので、刺繍に合わせて型紙を置いて「©2022…」という文字が表に出てしまうようことがなかったので良かった。
裁断をして表布、内布を縫い終わり(筆者はミシンを使用)、口金を付ける前までの工程は終わった。デアゴさんのお手紙によると目打ちは次号のキットに入れるので、ここから先は次号まで待ってね、となる。
筆者は自分の道具を使って構わず先に進む。ただ、「目打ち」は使わない。以前にがま口を作った時に使用した「がま口専用 へら」を使う。もちろん「目打ち」でも仕立てることはできるが、こちらのほうが使い勝手が良いので。
「生地と紙紐をさし込む際の細かい作業にとても便利!」という「がま口専用 ヘラ」。
とってもシンプルな作り。
片側はキャップを外すと先が尖っていて、目打ちのように細かい作業ができる。
もう片方はヘラの形で生地と紙紐を口金にググッと押し込める。先の細い目打ちは点で押し込む感じだけれど、ヘラは辺を押し込む感じなので安定して押し込める。
ヘラの先が曲がっているというちょっとしたことだけれど、押し込むときに口金に対して角度がついて作業がしやすいのも良いところ。
もちろん、目打ちでも作業はできるしヘラの部分はマイナスドライバーを代用することもできるので、あると便利なものといったところ。
スヌーピーグッズ「がま口」完成
無事にがま口が完成。
後ろはこんな感じ。
開けるとこんな感じ。
横から見るとこうなっている。
マチの部分はこんな感じ。
実際に作ってみて気になったこと
第12号で実際に作ってみて気になったことをまとめる。今回タペストリーの刺繍は気になるところは特になかった。
1.「がま口」の表布を裁断する時の説明は不親切
一番気になったのは、型紙で表布を裁断する時の布の縦横の説明が一切ないということ。すでに書いた通り、刺繍してある布は縦横はわかるけれど、刺繍していない方の布を裁断する時の縦横について何も書かれていないのはいかがなものかと思う。
大抵の手芸の本には布目に対して型紙をどう置くか書かれている。そしてキットの布は裁断されていて生地の端(耳)がないので、縦横、裏表が分かりづらい。せめて刺繍のある布と刺繍のない布が同じ布目になるのを判断する方法が書かれていても良いと思う。
2.キットに「目打ち」が入っていないという失態
いろいろな事情があるのでしょうが、いつかはこんなことが起きるんじゃないかと薄々思っていたので、やっぱり…っていう感じ。
筆者は定期購読しているので次号も購入して「目打ち」を受け取ることができるが、意地悪な言い方をすると「がま口」は作りたいと思って前号と今号だけ購入した人は目打ちが手に入らないということになる。そして本の価格は目打ちが入っていなくても1390円。購入するのは定期購読の人のみという前提だからこの対応なのか?
そして、同梱されていた「お詫びとご案内」の最後に書いてある「お客様サポートセンター」の電話番号は悪名高いナビダイヤル「0570」っていうのは印象が良くない。
HPにある「購入後に商品の不足または不良があった場合」にかける電話もナビダイヤル「0570」で同じ番号。
ちなみに、定期購読の問い合わせ番号はフリーダイヤル「0120」で無料。
今回の「目打ち」を入れることができなかったのは、デアゴスティーニさん側の都合で「お詫びとご案内」に書いてある問い合わせの番号くらいは無料のフリーダイヤル「0120」になっていた方が感じが良かった。
3.キット以外で「用意するもの」にペンチって…
「目打ち」はキットに入ってくるけれど(次号)、「ペンチ」は自分で用意する必要がある。本の中で使用しているペンチは先が細くて華奢なペンチ。こういうタイプのペンチってみんな普通に持っているものなのか?と疑問に思った。
あったら便利なもの
説明の中にさらっと出てくる用具類とあったら便利なもの。
キット以外に必要なもの
定規
ハサミ
まち針
竹串または楊枝
目打ち
ペンチ
あると便利なもの
がま口専用 ヘラ(マイナスドライバーで代用できる)
今号のデータ
付属品 |
刺繍糸1種 |
---|---|
タペストリー刺繍 | チャーリー・ブラウンとたまご |
スヌーピーグッズ |
がま口②(全2回) |
スヌーピーコラム |
ルーシーとスヌーピー、いつも |
『刺しゅうで楽しむスヌーピー&フレンズ』第12号のまとめと感想
実際に作り終えて第12号の良いところと残念なところをまとめてみた。
タペストリーの初登場のチャーリー・ブラウンは靴紐まわりの細かい部分がゴチャゴチャしていてちょっと手こずったけれど、そんなに難しくはなかった印象。
「がま口」は次号の目打ちを待つことなく自前のものを使って仕上げてしまった。
がま口の仕立ては本の説明がいまいち親切ではない。口金に布と紙紐を入れ込む動画もみたけれど、一連の流れはわかっても細かい部分はわからない。
毎度のことだけれど、刺繍に関しては詳しい説明があるのに、仕立て(基本的な裁縫の説明)に関してはびっくりするくらい説明が少ない。わかっているのが当然ということなのか、自分で調べてねということなのか、とても裁縫初心者向けの説明だとは思えない。
今号のキットに目打ちが入っていないことに関しては、なんだかなぁと残念な気持ち。それでも創刊号から今までのキットの品質やデアゴさんのHPを見てきたのでそんなに驚くこともなかった。
ネジが固すぎて使えない刺繍枠、普通に刺繍していたらいきなり折れる刺繍針、グッズ作りに支障のある位置に織り傷のある布、接着芯を貼ったら色落ちして縮む布…などなど、キットの品質が良いとは思えなかったし、HPの「購入後に商品の不足または不良があった場合」にかける電話はナビダイヤルで、定期購読申込みの電話番号はフリーダイヤルというあたりにデアゴさんの商品に対する企業姿勢がうかがえたからだ。今後のキットには多少なりとも品質向上を願います。
次号のスヌーピーグッズは「ティッシュケース①」が始まる。今までは全2回で出来上がってきたが、これは全4回と長丁場。複雑そうなデザインなので、ちゃんと作り上げることができるのかちょっと不安だけれど、わかりやすい本の説明に期待したい。
次号第13号は7月26日(火)発売!
詳しく知りたい方はデアゴスティーニの刺しゅうで楽しむスヌーピー&フレンズ公式HPを確認してください。