豆餅というと、どこか素朴で、昔ながらの味を思い浮かべる人も多いと思う。実際、見た目にも派手さはなく、どちらかといえば“定番寄り”の印象を受けやすい餅だ。
ただ、今回食べた『久比岐の里』の豆餅は、そうした素朴さだけでは終わらなかった。豆の風味、ほんのりした塩気、そして餅そのもののなめらかさがきちんと噛み合っていて、想像以上に完成度が高い。
本記事で紹介するのは、『久比岐の里』が手がける「久比岐もち豆」。新潟産もち米を使い、素材の持ち味を生かした餅づくりで知られるブランドのひとつだ。
※本記事は、久比岐の里の餅を食べ比べするシリーズのひとつです。
これまでにレビューした「玄米餅」「しそ餅」もあわせてご覧ください。
それぞれ個性がかなり違うので、比較しながら読むのもおすすめです。
なお、今回の豆餅を含めた「久比岐の里」の餅は複数種類を食べ比べています。
▶ 他の種類(玄米・ごま・のり・草餅・しそ)のレビューはこちら
▶ 久比岐の里「豆餅」の詳細は[こちらで確認できます]
(Amazon・楽天で取り扱いあり)
今回の試食条件について
※味の違いを明確にするため、焼き餅(醤油(+うま味調味料)/砂糖醤油/磯部焼き)で検証しています。
あんこやきなこなどの甘味アレンジは行っていません。
※なお、本記事は撮影から一定期間経過後に執筆していますが、開封・試食は消費期限内に行っています。
商品情報

- 商品名:久比岐もち 豆
- 内容量:350g(6枚入り)
- 製造者:農業法人久比岐の里

- 栄養成分(100gあたり)
- エネルギー:240kcal
- たんぱく質:5.9g
- 脂質:0.6g
- 炭水化物:52.0g
- 食塩相当量:0.76g
開封時の印象|豆が入った見た目から、定番系の安心感がある

見た目は比較的わかりやすい豆餅で、変わり種というよりは王道寄り。とはいえ、あとで食べてみると、この“定番感”の中にしっかり個性があることが分かる。

見た目は比較的わかりやすい豆餅で、変わり種というよりは王道寄り。
→ 例えば、香りが主役の草餅とは方向性がかなり異なります
▶ 草餅のレビューはこちら
焼いたときの変化|外に出た豆の香ばしさが、かなりいい

焼いていくと、外に出た豆が少しずつ色づき、香ばしさが立ってくる。この焦げた豆の風味がなかなか良く、ただの白餅とは違う表情が出る。

中の餅はしっかり伸びがあり、なめらかさも感じられる。豆入りでありながら、食感がゴワついたり、もそもそしたりしないのが印象的だった。豆はちゃんと存在感があるのに、餅のなめらかさを邪魔していない。
実食|塩気と豆の風味が軸。食べ方で印象が変わるのも面白い

豆の風味がしっかりあり、ほんのり塩気も感じる。ただし塩辛いわけではなく、塩の味と餅のほのかな甘さが合わさって、自然とまとまっている感じだ。
豆そのものもおいしく、食感はシャクシャク系でもムニュムニュ系でもなく、不思議と食べやすい。大豆の味がきちんと分かるのに、口当たりは重すぎない。この時点で、豆餅としての完成度はかなり高いと感じた。
醤油で食べる|餅そのものの良さがより分かる

醤油をつけると、豆がアクセントになりつつ、餅の生地の味がよりはっきりしてくる。今回食べた中では、お米の味となめらかさがいちばん分かりやすかったのがこの豆餅だった。
今回食べた中では、お米の味となめらかさがいちばん分かりやすかったのがこの豆餅だった。
→ 食感重視でいくなら玄米餅の方がより特徴的です
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砂糖醤油|意外とみたらしっぽい

砂糖醤油にすると、雰囲気が少し変わる。白い部分のなめらかさが前に出ることで、今回の豆餅はかなり“みたらしっぽさ”が出る。豆の風味と甘じょっぱさが合わさって、おやつのようでもあり、少し照り焼きっぽさもある不思議な味わいになる。
食事系にも振れるし、おやつ寄りにも振れる。この振れ幅の広さは、豆餅の面白さだと思う。
海苔|鉄板の味

海苔を巻くとかなり強い。海苔、豆、餅、醤油がそれぞれ別々に立ちながら、ちゃんと一体感もある。いわゆる“鉄板の味”で、食事系の焼き餅としてかなり安定感がある。
海苔を巻くとかなり強い。いわゆる“鉄板の味”。
→ 海苔を主役にした味を楽しみたいなら、のり餅も面白いです
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このお餅のラベル評価
※本記事のラベル評価は、同シリーズ6種類を食べ比べたうえでの相対的な印象です。
■ ラベル評価
- 個性の強さ:中
- 味の方向性:旨み重視
- 贈答向きタイプ:安心
豆餅としての個性はきちんとあるが、尖りすぎてはいない。塩気と豆の風味があるぶん、白餅より印象には残るが、全体としてはかなり食べやすい。「変わり種」ではなく、「定番の上位版」として贈りやすいタイプだと思う。
向いている人・向かない人
向いている人
- 豆餅らしい風味をしっかり楽しみたい人
- 白餅より少し味のある餅が好きな人
- 甘い食べ方もしょっぱい食べ方も両方楽しみたい人
- 贈り物でも失敗しにくい味を選びたい人
向かない人
- とにかく真っ白でクセのない餅を求める人
- 豆の風味や塩気が入ることで印象が変わるのを避けたい人
他の種類と比べることで、この豆餅の“ちょうど良さ”はより分かります。
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まとめ|豆の風味と塩気がちょうどいい、完成度の高い豆餅
久比岐の里の豆餅は、見た目こそ素朴だが、食べてみるとかなりバランスがいい。豆の風味、ほのかな塩気、そして餅そのもののなめらかさがうまくまとまっていて、定番系なのに印象に残る一枚だった。
そのまま食べれば素材の良さが分かり、醤油なら食事寄り、砂糖醤油なら少しおやつ寄りに振れる。さらに海苔を合わせれば、満足感のある王道の焼き餅になる。
奇をてらった餅ではない。けれど、普通の豆餅で終わらせないだけの完成度がある。安心感がありつつ、ちゃんとおいしい豆餅を探している人にはかなり合うと思う。
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