「ごま餅」と聞くと、風味が前面に出た個性的な味を想像するかもしれない。
あるいは、ごま団子のような甘さや濃さをイメージする人もいるだろう。
ただ、実際に食べてみると、その印象は少し違っていた。
これはごまを主役に据えつつも、あくまで“餅の美味しさを引き立てる存在”として成立している一品だった。
本記事で紹介するのは、『久比岐の里』が手がける餅のひとつ「ごま餅」。
素材を活かしたシンプルな設計の中で、ごまの使い方がどう活きているのかを見ていく。
※本記事は、久比岐の里の餅を食べ比べするシリーズのひとつです。
これまでにレビューした「玄米餅」「しそ餅」もあわせてご覧ください。
それぞれ個性がかなり違うので、比較しながら読むのもおすすめです。
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今回の試食条件について
※味の違いを明確にするため、焼き餅(醤油(+うま味調味料)/砂糖醤油/磯部焼き)で検証しています。
あんこやきなこなどの甘味アレンジは行っていません。
※なお、本記事は撮影から一定期間経過後に執筆していますが、開封・試食は消費期限内に行っています。
商品情報

- 商品名:久比岐もちごま
- 内容量:350g(6枚入り)
- 製造者:農業法人久比岐の里

- 栄養成分(100gあたり)
- エネルギー:239kcal
- たんぱく質:4.5g
- 脂質:0.9g
- 炭水化物:54.3g
- 食塩相当量:0g
焼く前の印象|ごまの存在は控えめで、意外と素直

成分を見る限り、余計なものはなくシンプルな構成。
見た目も「ごまが強そう」という印象はなく、むしろ落ち着いた雰囲気。
この段階では、香りもほとんど感じない。
ごま餅というより、「少しアクセントが入った餅」という印象に近い。
焼いたときの変化|香ばしさがじわっと立ち上がる

焼いていくと、徐々に香ばしさが出てくる。
ただし、強烈に主張するタイプではなく、あくまで穏やかに香る程度。

餅としての伸びや滑らかさはしっかりしており、いつもの久比岐の餅らしい安定感がある。
実食|ごまは“支える役”として機能している

まずは何もつけずに。
ごまの風味と食感は確かにあるが、前に出てくるというより、餅の甘さの中に自然に溶け込むタイプ。
良く言えばバランス型、悪く言えば派手さはない。
ただ、この“出しゃばらなさ”がこの餅の特徴ともいえる。
醤油で食べる|香ばしさが一気に引き立つ

醤油をつけると印象が変わる。
焼き目の香ばしさ+醤油+ごまが重なり、一気に風味の層が厚くなる。
この状態になると、ごまの存在感も自然に強まる。
海苔がなくても成立するのは、このバランスのおかげ。
砂糖醤油|おかきやみたらしのような方向へ

砂糖醤油にすると、少し面白い変化が出る。
- おかきのような香ばしさ
- ごま団子+みたらしのような印象
といった、和菓子寄りの方向に寄っていく。
甘じょっぱさとごまの組み合わせはやはり相性が良い。
海苔|組み合わせで印象が変わる

海苔を合わせると、食感と風味が加わり、味の掛け算が起きるタイプ。
ただし、砂糖醤油の場合は海苔なしのほうがまとまりが良い印象もある。
ここは好みが分かれるポイント。
焼き方のポイント|しっかり焼いたほうが美味しい
この餅は、しっかり焼いて“膨らませる”のが正解。
外はカリッと、中はトロッと。
さらに軽い焦げがアクセントになり、味の輪郭がはっきりする。
このお餅のラベル評価
※本記事のラベル評価は、同シリーズ6種類を食べ比べたうえでの相対的な印象です。
■ ラベル評価
- 個性の強さ:やさしめ
- 味の方向性:バランス型
- 贈答向きタイプ:安心
ごま餅としてはかなり穏やか。
クセが少なく、誰にでも出しやすいタイプ。
向いている人・向かない人
向いている人
- ごまの風味をさりげなく楽しみたい人
- 強すぎない味の餅を探している人
- 誰にでも出しやすい無難さを求める人
向かない人
- ごまの強い香りや主張を期待している人
- 個性的な味の餅を求めている人
他の餅との違いも気になる方へ
それぞれのレビューも参考にしてみてください。
まとめ|主役ではなく“名脇役”として完成されたごま餅
このごま餅は、いわゆる“変わり種”とは少し違う。
ごまを前面に押し出すのではなく、餅の美味しさを支える役として配置している。
そのため、派手さはないが、焼いて醤油をつけたときの完成度は高い。
強い個性を求める人には物足りないかもしれないが、日常的に食べる餅としては、むしろこのバランスがちょうどいい。
「安心して食べられる、少しだけ違う餅」
そんな立ち位置の一品だった。
