「草餅」と聞くと、よもぎの香りがかなり強いものを想像する人も多いかもしれない。独特の青っぽさや香りが前に出て、好みが分かれる。
ただ、実際に食べてみると、この草餅はそうした“クセの強さ”よりも、食べやすさと上品さが先に来るタイプだった。よもぎの風味はきちんとあるのに、強すぎない。だからこそ、甘い味付けにも、しょっぱい味付けにも自然になじむ。
本記事で紹介するのは、『久比岐の里』が手がける餅のひとつ「草餅」だ。新潟産もち米を使い、素材の持ち味を活かした餅づくりで知られるブランドである。
※本記事は、久比岐の里の餅を食べ比べするシリーズのひとつです。
これまでにレビューした「玄米餅」「しそ餅」もあわせてご覧ください。
それぞれ個性がかなり違うので、比較しながら読むのもおすすめです。
久比岐の里の餅は今回で5種類目。
これまでにレビューした
・しそ餅
・玄米餅
・ごま餅
・のり餅
もあわせてチェックしてみてください。
▶ 久比岐の里「草餅」の詳細は[こちらで確認できます]
(Amazon・楽天で取り扱いあり)
今回の試食条件について
※味の違いを明確にするため、焼き餅(醤油(+うま味調味料)/砂糖醤油/磯部焼き)で検証しています。
あんこやきなこなどの甘味アレンジは行っていません。
※なお、本記事は撮影から一定期間経過後に執筆していますが、開封・試食は消費期限内に行っています。
商品情報

- 商品名:久比岐もちごま
- 内容量:350g(6枚入り)
- 製造者:農業法人久比岐の里

- 栄養成分(100gあたり)
- エネルギー:232kcal
- たんぱく質:4.6g
- 脂質:0.2g
- 炭水化物:54.5g
- 食塩相当量:0.1g
開封時の印象|見た目からすでに“海苔感”

草餅という名前から、開封した瞬間に強いよもぎの香りが広がるのかと思っていたが、第一印象はかなり穏やかだった。香りはほとんど強くなく、あってもほのかに草の青っぽさを感じる程度。香料っぽい不自然さはなく、全体として上品な印象がある。

この時点では、いわゆる“強い変わり餅”のような主張はない。むしろ、食べやすさを想像させる落ち着いた雰囲気で、身構えずに食べられそうだと感じた。
焼いたときの変化|よく伸びて、餅としての満足感もしっかり

焼いてみると、草餅としての風味が少しずつ立ってくる。ただし、それでもクセが強い方向ではなく、焼くことでよもぎの存在が自然に分かりやすくなるという印象に近い。

特に良かったのは、しっかり焼いたときの伸び。破裂するくらいまで焼くと伸びがかなり良く、食感の気持ちよさが際立つ。草の風味だけでなく、餅そのもののおいしさもしっかり楽しめる。
実食|甘いもしょっぱいも受け止める、懐の深い草餅

まずは何もつけずに食べてみると、よもぎの風味はあるが、驚くほどクセがない。方向としてはよもぎ団子を思わせる味わいで、親しみやすさがある。
そのため、「草餅は好きだけれど強すぎるのは苦手」という人にも入りやすいタイプだと思う。
他の餅と比べても、例えば玄米餅のような食感の個性や、ごま餅のような風味の主張とは違い、草餅はかなり穏やかで食べやすいタイプです。
醤油で食べる|よもぎの風味が立つ

醤油で食べると、白い餅と比べれば確かによもぎらしさはあるが、やはり強すぎない。むしろ塩気が加わることで、よもぎの風味がすっきり立つ感じがあり、焼き餅として素直においしい。
砂糖醤油|コクのある一品へ

砂糖醤油はかなり相性が良い。甘じょっぱさの中に香ばしさが加わり、どこかみたらし草団子のような雰囲気になる。しかも不思議と甘さが重たくなりにくく、食べやすい。
海苔|相性バツグン

さらに海苔を巻くと、相性の良さはよりはっきりする。
醤油+海苔ではおいしさが素直に増し、砂糖醤油+海苔では少し複雑で面白い味わいになる。草餅そのものが尖りすぎていないぶん、海苔や調味料との組み合わせを受け止める幅が広い。
海苔との相性という点では、のり餅もかなり完成度が高く、海苔好きの人はあわせてチェックしておきたいところ。
→のり餅のレビューはこちら
このお餅のラベル評価
※本記事のラベル評価は、同シリーズ6種類を食べ比べたうえでの相対的な印象です。
■ ラベル評価
- 個性の強さ:やさしめ
- 味の方向性:バランス型
- 贈答向きタイプ:安心
草餅ではあるが、クセや香りの強さで押すタイプではない。よもぎの風味を感じつつも食べやすく、甘い系にも醤油系にも合わせやすいので、かなり受け入れやすい部類だと思う。
向いている人・向かない人
向いている人
- 草餅やよもぎ団子が好きな人
- クセの強すぎない変わり餅を探している人
- 甘い味付けもしょっぱい味付けも楽しみたい人
向かない人
- よもぎの香りが非常に強い草餅を求める人
- 個性の強さやインパクトを重視したい人
久比岐の里の餅は種類ごとに個性がはっきり分かれているので、
他の餅と食べ比べてみると違いがより分かりやすいです。
→ これまでにレビューした餅一覧はこちら
まとめ|“磯辺焼きの完成形”が最初から入っている餅
草餅というと、よもぎの香りや個性が前に出るものも多い。しかしこの草餅は、草の風味をきちんと感じさせながら、全体はかなり穏やかで食べやすい。
そのため、草餅好きの人はもちろん、「普通の餅とは違うものを食べたいけれど、クセが強すぎるのは困る」という人にも向いている。
特に、しっかり焼いて伸びを楽しみつつ、醤油や砂糖醤油、海苔で食べ比べると、この餅の良さがよく分かる。派手さよりも、上品さと懐の深さで印象に残る草餅だった。
▶ 久比岐の里の他の餅レビューを見る
