業務スーパーで売っている「かんたんパスタ」を見て、ついに日本にもイタリアのインスタント食品がやってきたか!と、現地で購入して食べた時の古ぼけた記憶をたぐり寄せて喜んだ。いわゆるイタリア版即席麺なのだが、残念ながら日本ではあまり馴染みのない商品だ。それがようやく、業務スーパーでお手軽に購入できることになったのだ。
日本では定着せずに、いつなくなってしまうかもしれない。今食べずにいつ食べるんだ?自問自答した結果、「かんたんパスタ」4種類全て食べてみることにした。どの味が美味しいのか?何をトッピングするのがいいのか?そもそもどうやって作るのか?そんなお悩みに答えるべく、全商品の特徴や商品の良し悪しなども含めてレポする。
かんたんパスタとは?
日本でいうところの、袋入りインスタントラーメン的な位置づけだと思われるこのかんたんパスタ。フライパンひとつで調理できるのが最大の売りだろう。例えばカルボナーラを普通に食べるとなると、まずパスタを茹で、それからソースを作るという過程がある。
しかし、このかんたんパスタはパスタを茹でるのと同時に、ソースも作成してしまうのだ。パスタの茹で時間=完成という夢のような商品だ。
日本ではあまり馴染みのない商品だが、かな~り昔にイタリアへ行った際、筆者はこういったインスタント食品を見つけて食べた思い出がある。とうとう日本にもやってきたか!と、興奮して思わず全種類購入してしまった次第だ。
現地の品だとイタリア語で何が書いてあるのかさっぱり分からない。何となくイラストを見て作るしかなかった。だが、業務スーパーのかんたんパスタはちゃんと日本語表記があるので安心だ。
4種類の味にそれぞれ違う4種類のパスタ。ペンネとフジッリのショートパスタ2種類と、スパゲッティとタリアテッレのロングパスタ2種類というラインナップだ。外側に分かりやすく書いてある、マークもかわいらしいじゃないか。
かんたんパスタの作り方
かんたんパスタの作り方はどの種類も同じ作り方になっている。水を入れて沸騰させたら、お好みの硬さになるまで茹でるという簡単な仕様だ。
フライパンひとつで簡単調理できる商品となっている。袋にも書いてあるように調理時間はあくまで目安となる。使用する調理器具などによって多少異なるので、火の通りが悪い場合は再加熱を忘れずにしよう。
4種のチーズパスタ
まずは4種のチーズパスタを作ってみる。4種類のチーズの内訳は、モッツァレラチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズ・ブルーチーズの4種類だ。パスタの種類は日本でもよく食べられているスパゲッティだ。果たして本当に濃厚な味わいなのか?
詳細データ
商品名 | 4種類のチーズパスタ |
---|---|
パスタの種類 | スパゲッティ |
購入店 | 業務スーパー |
原産国 | イタリア |
100g当たりのカロリー | 397kcal |
総カロリー | 694.75kcal |
内容量 | 175g |
価格 | 188円(税抜) |
1人当たりの価格 | 94円(税抜) |
調理開始
中を開けてみるとパスタと粉末が一緒に入っていた。日本だったらパスタと粉末が別包装になっていそうだが、そこはイタリア、中身を一気に沸騰した湯に投入しろというやり方だ。
パスタの長さは大体17cmほどのものとなっている。
500mlの湯を沸騰させて中身を投入。
中火で9分茹でてみた。まだ少し汁気が残っている状態だ。
あれだけあった茹で汁が、最終的にはこんな感じに。
袋にも「お好みの具材を入れるとよりいっそうおいしく召し上がりいただけます」と書いてあったので、家にあったベーコンとほうれん草をトッピング。(写真は1袋分)
4種のチーズパスタの味は?
どんな感じなのか食べてみたところ、パスタもちゃんと茹でられていて再加熱の必要はなかった。チーズの味はするが濃厚というより、ほんのりチーズ風味といった感じだった。どちらかと言えば、チーズのクリームパスタといった雰囲気だ。お店で何も知らずに出されたら、クリームパスタだと勘違いしそうだ。
チーズの風味は弱いとはいえ、味はしっかり濃い目の味で塩気が強い。野菜を入れることで塩気が中和され、ちょうどいい具合になっている。今回、ベーコンをトッピングしたせいか、より塩味が強く感じる仕上がりになってしまった。トッピングをするなら、塩味があまりしないものを入れたほうがいい気がする。しかし、食べ進めていくうちに塩気もあまり気にならなくなった。
食べていくうちに汁気がどんどんなくなってしまうので、茹でる際にはある程度汁を残すようにしたほうが食べやすいと思った。つまり、フライパンの時点で汁気がまったくないと、食べているうちにパサパサしてくる可能性がある。
1袋2人前ということだが、食欲旺盛な人の場合、1人前は物足りなく感じそうだ。何もトッピングをしなくてももちろん食べれるが、何かしらトッピングしたほうがよりいっそう美味しく食べれる。できあがったパスタに黒コショウをかけるといっそう美味しくなる。玉ねぎやキノコ類など入れても相性が良さそうな味だった。
トマト&チーズパスタ
お次はトマト&チーズパスタを作る。4種類のうちこれだけがトマト味のパスタになる。パスタの種類はショートパスタのフジッリだ。深みのある美味しさとあるが、本当にそういう味なのか?
詳細データ
商品名 | トマト&チーズパスタ |
---|---|
パスタの種類 | フジッリ |
購入店 | 業務スーパー |
原産国 | イタリア |
100g当たりのカロリー | 384kcal |
総カロリー | 672kcal |
内容量 | 175g |
価格 | 188円(税抜) |
1人当たりの価格 | 94円(税抜) |
調理開始
こちらもパスタと粉末が一緒に入っていた。ショートパスタと一緒に入っていた粉末は、トマト味だからか微かに赤い。
パスタの長さは大体2.5cmほどのものとなっている。
500mlの湯を沸騰させて中身を投入。
こちらも中火で9分茹でてみた。しかし、途中から汁気がなくなり始め、慌てて弱火にした。
茹で汁はほとんどない状態。もう少し汁気は残したほうがいいと食べていて感じた。
トッピングにはあまっていたスパムとほうれん草を投入。(写真は1袋分)
トマト&チーズパスタの味は?
こちらもちゃんと火が通っていて再加熱の必要はなかった。チーズとトマトのパスタというだけあって、チーズの味がちゃんとする。トマトの酸味と風味も感じられ、ドライトマトのような味になっている。全体的にはまろやかな味わいだ。深みのある味わいかといわれれば、そこまでではないがトマトとチーズの味はちゃんとした。
トッピングの調味料としては黒コショウはもちろん、タバスコとの相性がばっちりだ。さらに粉チーズをかけるとコクが出て美味しい。4種のチーズパスタよりも塩気はなく、スパムがしょっぱさが逆にいいアクセントになっている。
たまたまトッピングしたものが良かっただけかもしれないが、4種のチーズのパスタよりも美味しく食べれた。
きのこのクリームパスタ
きのこのクリームパスタを今度は作ってみる。入っているきのこはポルチーニらしい。パスタの種類はショートパスタのペンネだ。ちゃんとポルチーニの香りはするのか?
詳細データ
商品名 | きのこのクリームパスタ |
---|---|
パスタの種類 | ペンネ |
購入店 | 業務スーパー |
原産国 | イタリア |
100g当たりのカロリー | 388kcal |
総カロリー | 679kcal |
内容量 | 175g |
価格 | 188円(税抜) |
1人当たりの価格 | 94円(税抜) |
調理開始
中身はこんな感じで、ポルチーニがどこにあるのかはぱっと見分からない。茹でたら出てくるのか?それとも粉末状になっているのか?
パスタの長さは大体3.5~4cmほどのものとなっている。
500mlの湯を沸騰させて中身を投入。お、ポルチーニっぽいものが現れた。
中火~弱火で9分茹でてみた。
前回の失敗を踏まえ、汁を多めに残せる火加減で茹でた。
きのこのパスタなのでトッピングにきのこは入れず、ベーコンとほうれん草を入れてみた。(写真は1袋分)
きのこのクリームパスタの味は?
パスタの茹で加減も問題なく、汁もちゃんと残った状態だ。塩加減はちょうどよく、ポルチーニの香りもそれなりにする。試しにきのこだけを食べてみたら、ちゃんとポルチーニの味と香りがした。ただ、よくも悪くもあっさりしていて、クリーム感はいまいちだ。何かパンチが足りない感じの味なので、トッピングは必須だろう。
追加の調味料トッピングとしては、黒コショウと粉チーズを入れると美味しくなる。汁気はやはりこれぐらいあったほうが最後まで美味しく食べれた。あっさり目の味だけに、どんな具材を入れても相性は良さそうだ。
カルボナーラ
最後はカルボナーラだ。こちらのパスタの種類はロングパスタのタリアテッレ。「お肉のような食感の大豆たんぱく入り」とは何だ?大豆ミート的なものだろうか?
詳細データ
商品名 | カルボナーラ |
---|---|
パスタの種類 | タリアテッレ |
購入店 | 業務スーパー |
原産国 | イタリア |
100g当たりのカロリー | 413kcal |
総カロリー | 722.75kcal |
内容量 | 175g |
価格 | 188円(税抜) |
1人当たりの価格 | 94円(税抜) |
調理開始
平べったいパスタと黄色っぽい粉末が入っていた。所々見える固形のものが大豆ミートだろうか?
パスタの長さは大体17cmほどのものとなっている。
500mlの湯を沸騰させて中身を投入。
中火~弱火で9分茹でてみた。
汁気はちゃんと多めに残して完成。
トッピングはカルボナーラといったらやはりベーコン。それとしめじを入れてみた。(写真は1袋分)
カルボナーラの味は?
茹で加減も問題なく、汁もしっかり残る仕上がりだ。チーズの風味があり、塩加減もちょうどいい。ただ、カルボナーラというよりは、チーズクリームパスタといった感じだ。カルボナーラ特有の玉子の風味は感じられないが、コクはちゃんとある。
平べったいパスタがソースと絡まっていい感じになっている。トッピングはカルボナーラ感が増すので、ベーコンを入れるのがオススメだ。調味料を後追いでかけるなら、やはり黒コショウと粉チーズが相性抜群だ。カルボ感がグッと強まる。
そしてパッケージにあった大豆たんぱくは、カップヌードルに入っている謎肉のような感じだった。確かに肉のような食感があった。
かんたんパスタを食べ比べた感想
4種類、全てを作って食べてみた結果、かんたんパスタの良いところと、イマイチなところをまとめた。
やっぱり値段を考えたら満足行く商品だ。さらにフライパン1つでできるのもいい。洗い物が少なくて済むし、あれこれ用意をしなくていい簡単さはありがたい。味も美味しくないという種類のものはなかった。あれこれ入っていないため、即席麺のように色んなアレンジやトッピングをして楽しめた。
ただ、2人前が1つのパックに入っているため、1人分だけ作るということができない。小腹が減った時に即席麺のように作るという感じではない。さらに、火加減について特に説明がないため、グツグツ煮込み過ぎると汁気がなくなってしまう。全く汁気がないと食べ終わるまでの間に、パサついてしまうので注意が必要だ。
個人的に一番美味しかったのは、トマト&チーズのパスタだ。たまたまトッピングしたのが塩気があるスパムだったせいか、とにかくトッピングとの相乗効果もあって美味しく感じた。他の3つがクリーム系だったからか、余計にこのトマト味のパスタが印象に残った。
パスタ好きな人なら、即席麺のように常備するのもアリだ。見かけたら即ゲットして欲しい。