またもポストに入っていた怪しいチラシ。ん?これは、見覚えがあるぞ……まさか、洋菓子工房ZENか!
だが、よく見ると㈱柴田洋菓子のスイーツ工場直売フェアと書いてある。チラシのレイアウトから北海道マーク・字体・ケーキの写真・ネーミングまで似ているし、あまりにも怪しいので行ってみたくなってきた。
そして、そこで購入した洋菓子工房ZENの商品と酷似している、切り落としチーズバーの食レポも掲載だ。
また、工場直売フェアの様子や販売者㈱柴田洋菓子と、製造者の工場の違いなど、会社に問い合わせをして今回わかったことをレポする。
これがSWEETS FAIR!のチラシだ
なお、洋菓子工房ZENの直売会については、【食レポあり】謎の洋菓子工房ZEN工場直売会に行ってみたに詳しく書いてあるので合わせてご覧頂きたい。
販売日の3〜4日前にポストに入っていたチラシ。平日(水曜日)の昼間12:30〜13:30の1時間だけ開催って、どれだけ人が集まるのか?
裏側はこんな感じ。
販売・商品に関する問い合わせは㈱柴田洋菓子と書いてある。洋菓子工房ZENとはどうやら別なのか?
洋菓子工房ZENとSWEETS FAIR!のチラシを比較検証
洋菓子工房ZENがやってきたと勘違いするのも無理がない。2つのチラシを改めて比較検証してみた。
これが今回の「SWEETS FAIR!」のチラシ。
こちらは「洋菓子工房ZEN」のチラシ。
レイアウト、字体、写真や商品まで似ている。もう少し詳しく見てみよう。
どちらにも「最大50%OFF」の文字、北海道のシルエット、期間限定、工場直売と共通している。
さらに販売している商品も酷似していた。
SWEETS FAIR!の人気No.1は、「濃厚北海道牛乳使用」「特濃ふらののレアチーズケーキ」「超濃厚に仕上げた人気No.1商品」と書かれている。
一方、 洋菓子工房ZENの人気No.1は、「北海道産生クリーム使用」「特濃レアチーズケーキ」「超濃厚に仕上げた人気No.1のレアチーズケーキです」とある。
お次は切り落としチーズバーと切り落としショコラバー。
さらにイチゴのムースケーキ。
詳しく見れば見るほど似ている。販売者が㈱柴田洋菓子で、「スイーツ工場直売」はどこの工場なのか?購入して確かめてみることにした。
スイーツ直売工場フェアは公道の路上!?
販売場所は「◯◯公園付近。のぼりを目印にご来場下さい!」ということだ。注意書きの「※販売場所は目印であり、固有名詞は一切関係がございません」という言葉に嫌な予感がする。
洋菓子工房ZENさんは住宅街の民家の駐車場だったから、今回はどんなところなのか?
売り切れて購入できないと困るので、時間よりも少し前に行って目印ののぼりを探すが見当たらない。公園の周りをぐるっと歩いてみると、あった!!!けど、のぼりは1つ。確かに公園付近だけど…ここは公道の路上。本当にこれがそうなのか?
のぼりにはSWEETS FAIR!やスイーツ工場直売フェアとは書かれていない。大きくCAKEとあり、手作りケーキ、handmade cakeと書いてある。
え?手作りケーキ??工場直売なのでは?こののぼりであってるのか?
路上で販売するのか?工場直売じゃなくて手作りなのか?頭が混乱してきた。どうやら、男性が1人で販売しているようだ。ちょっとびっくりしすぎて怖くなってきた。
ちなみに、この場所は道は狭いけれど、一方通行ではない。この数ブロック先には幹線道路があり、そこは信号のある交差点だ。
隣駅への抜け道にもなっているので、昼夜問わず割と車が通る。
帰ろうか…でも、買うものは決めてあるので勇気を振り絞って1つだけ買おう。
おそるおそる近づくと、ポストに投函されていた「SWEETS FAIR!」のチラシを確認!そして保冷バッグが!!
販売開始時刻前だったけれど、前のお客さんはケーキ名を伝えてもそのケーキは買えないようだ。どうやらチラシにある商品でも本日入荷できなかった商品がいくつかあり、購入できないらしい。
ケーキはこの保冷バッグの中のようだ。支払いは現金のみ。
いよいよ自分の番。買おうと決めていたのは「切り落としチーズバー」で、無事に購入できてひと安心。チラシでの値段は¥1058(税込)なのだけれど、請求されたのは¥1050だった。もちろん、レシートは発行されない。解凍のやり方を聞くと、「2〜3時間前に冷蔵庫で解凍」ということだ。
自分の購入後にも、数人のお客さんが来ている。その間も販売車のすぐ脇を車が通り過ぎていくのでちょっと怖い。この状態で対向車が来たらどうするのだろう?と思いながらその場を離れた。
今回の「SWEETS FAIR!」は、驚くことばかり。ちなみに販売しているのは「冷凍ケーキ」だけれど、近所にしかチラシを配らないからか、ドライアイスは入れてくれないので要注意だ。
購入商品をチェック
「切り落としチーズバー」はこんな感じの商品だ。
シールには「チーズバー」とある。
まずは重さ約326g。
1切れ約28gだが、大きさにばらつきがある。
これは約31gなので大体30g前後といったところ。
全部で12切れ入っていた。
長さ約9cm。
幅約2.8cm。
厚さ約1.5cm。
上側の表面。
断面。
下側はちょっとスポンジっぽい?
切り落としチーズケーキバーの味は?
冷蔵庫で約2時間半解凍した後、ようやく食レポだ。
なぜか解凍すると、上下の生地がボロボロ剥がれてしまう。
焼いた香ばしさ、チーズの香りや味がして、少しではあるがコクも感じる。甘さは控えめ。
上下のカステラのような生地の間に、ベイクドチーズケーキの生地?が挟まっているような感じがする。硬めのしっかりした生地で、滑らかさやクリーミーさはない。
いたって普通の味。コンビニとかで売っているチーズバーみたいな感じ。12切れ入りで980円(税抜)なので、1切れ約81.6円だと思えば、まぁまぁ値段相応といったところ。残念ながら定価の1800円なら、その価値は見いだせない。
製造者が分からない?
裏側を見てみると、販売者はあっても製造者の記載は見当たらない。
販売者の㈱柴田洋菓子のHPを確認すると、事業内容に
- 洋菓子・和菓子の製造、開発、卸し、販売
- 洋菓子・和菓子における広告制作
とある。名古屋本社、福岡営業所もあるようだ。名古屋本社には電話番号とメールアドレスがあるが、福岡営業所の電話番号はなく、メールアドレスは名古屋本社と同じだった。
グループ会社は名古屋物流センター以外、名古屋本社と同じ住所で、それぞれの電話番号の記載はない。協力工場が載っている。
名古屋ルーセントタワー40階にグループ会社が複数あるけれど、それぞれの電話番号の記載がないのはなんとなく違和感を感じる。
参考までに、株式会社柴田食品グループのHPを確認すると、電話番号は柴田洋菓子と同じ。
製造者がどうやったらわかるのか?まずは、東京都の福祉保健局のHPで、一般用加工食品(食品関連事業者及び製造所等)について調べる。
このアルファベットが製造所固有記号で、使用する場合には、いくつかの方法で表示する必要があるようだ。今回の表示は製造所の所在地又は製造者の氏名又は、名称の情報の提供を求められたときに回答する者の連絡先が記載されている。
次に製造所固有記号検索で“DSK1”を調べると石川県にある製造者、製造所が出てくる。ただ、筆者が調べた時点では販売者に㈱柴田洋菓子の名前は見当たらない。
多分、石川県の製造者、製造所だと思うけれど、正確に調べる必要があるので問い合わせることにした。
問い合わせしてみた
販売者の㈱柴田洋菓子へ電話で確認すると、製造者は石川県にある株式会社 御菓子城加賀藩であることがわかった。お菓子の製造と販売をしている会社のようだ。
ということで、切り落としチーズバーのデータはこうなる。
商品名 | 切り落としチーズバー |
---|---|
価格 | ¥1800→¥980(¥1058税込) |
内容量 | 1個(12切) |
製造者 | 株式会社 御菓子城加賀藩 |
販売者 | 株式会社 柴田洋菓子 |
洋菓子工房ZENの切り落としチーズバーと比較
以前購入した洋菓子工房ZENの切り落としチーズバーと比較してみた。
SWEETS FAIR! | 洋菓子工房ZEN | |
---|---|---|
価格 | ¥1800→¥980 (¥1058税込) |
¥1800→¥1000 (¥1080税込) |
内容量 | 1個(12切) | 1個(12切) |
カロリー (100gあたり) |
397kcal | 263kcal |
製造者 | ㈱御菓子城加賀藩 | ㈱菓匠鈴屋将経 |
販売者 | ㈱柴田洋菓子 | ㈱快善プロジェクト |
価格はほぼ同じだけれど、製造者と販売者が違うので、もちろん味も違う。
一番驚いたのは、カロリーの違い。そのせいなのか?洋菓子工房ZENのチーズバーよりもSWEETS FAIR!の方が美味しい。
「SWEETS FAIR!」は怪しいのか?
怪しいか怪しくないか?結論から言うと販売方法がめちゃくちゃ怪しい。実際行ってみて感じたことをいくつかあげてみる。
- 工場直売のはずがなぜか「手作りケーキ」と書かれた目印ののぼり
- 販売会場が公道に路駐した車
- ワゴン車の後ろを開けてラゲッジスペースで販売
- 売り物のケーキは保冷バックから出てくる
- レシートもない
- 販売時刻の前に行っても売り切れの商品がある
- 定価の商品がわからないので、値引き後の価格が安いのかわからない
前回の筆者が行った洋菓子工房ZEN工場直売会は、ちゃんと洋菓子工房ZENと書かれたのぼりだった。販売会場も住宅地にある民家の駐車スペースに冷凍庫を置いて、男女複数人でケーキを販売していた。
今回のSWEETS FAIR!は、チラシの内容と一致しない「手作りケーキ」というのぼりを立てていた。さらに、販売会場は公道に路駐した普通の車。ラゲッジスペースに載せた保冷バッグから冷凍ケーキを取り出し、1人で販売していたことだ。これはやっぱりちょっと怪しく感じてしまう。
また、ZENと同じく商品のケーキは特別美味しいわけでもなくいたって普通だし、工場直売品としてのコスパの良さは感じられなかった。
冷凍ケーキ工場直売ビジネスがあるのか?
2つの似たようなケーキ販売会に行ってふと思った。特設会場で冷凍ケーキを工場直売といって販売するビジネスが、もしかしたら全国で行われているのかもしれないと。
例えばこんな売り方だ。
- 販売日の数日前に販売場所から徒歩圏内の住宅のポストにチラシを入れる
- 販売は1日のみで販売時間は1時間〜1時間半の短時間
- 開催場所の地図があっても、はっきりとした住所の記載はなく「◯◯付近」
- 「のぼりを目印にご来場ください」とチラシには記載
- 販売するのは冷凍ケーキか日持ちのする常温ケーキ
- ホールケーキのサイズは4号ホール(直径12cm)が多い
- 「工場直売」だが、製造者と販売者は違う
- 普段目にすることのない定価のわからない工場直売商品を売る
- 最大50%OFFで割引後の価格が1000円前後の商品が多い
- 販売場所は民家の駐車場だったり、路上だったりと様々
今回は洋菓子工房ZEN工場直売会とSWEETS FAIR!の比較がしたくて購入したが、いずれも普通の冷凍ケーキ。残念ながら工場直売のお得感は感じられなかった。「これは美味しい!」ってならないところまで共通していたのだ。
もしかしたら、今後また違う販売者の似たようなチラシがポストに入ることがあるかもしれない。また参加できそうなら比較検証してみようと思う。