茨城県にある筑波実験植物園をご存知だろうか?園芸ファン並びに植物マニアの間では、ショクダイオオコンニャクがある植物園だと言えば通じるかも知れない。
実は国立科学博物館がやっている植物園で、一般の人も入ることができるのだ。しかし、いかにも研究所といった感じのストイックな佇まいなせいで、入っていいのかちょっとためらってしまう。
だが、そのハードルを越えた先には、驚くべき植物たちが生息していた!敷地もデカければ植物もデカい!温室に育つ植物はちょっとした世界旅行気分が味わえる。
入っていいのかためらう入り口
実を言うと結構前に訪れたのだが、その後に緊急事態宣言が出てしまったため、ようやく日の目を見た記事であることを最初にお断りさせて欲しい。
外観はこんな感じ。これ本当に入っていいのか?研究所だらけの学園都市のせいか、思わず入るのをためらいそうになる。
恐る恐る中に入ると券売機が。65歳以上の人と高校生以下はなんと無料だ!
入園料は一般で320円。想像よりもお安くて助かる。
中に入ったらまずは、パンフレットとイベントガイドを入手!
園内マップ!
国立科学博物館の実験植物園なのか。
イベントガイド。
1年を通してイベントが開催されている。
どの季節に訪れても楽しめる感じ。
サバンナ温室へ行ってみる
係の人に券を渡して中に入るとすぐに地図がある。どの場所を見ようか迷うが、まずは近くにあったサバンナ温室に行ってみることにした。
温室入る前からすでに雰囲気出まくりだ。
入ってすぐのところに、いくつか鉢植えの植物があった。この背の高いのはアルアウディア・アスケンデンスという植物だ。
よく見るとなんと、ハートの可愛らしい葉っぱだ!しかし間には鋭いトゲがあるので要注意だ。
温室の中に進むと…
ドーン!サボテン!
所狭しと岩の間から顔を覗かせているサボテンたち。完全に日本であることを忘れてしまいそうになる。
全体的に背が高くて大きい。
これはリュウゼツラン科のアガベ・アッテヌアタという、メキシコ東部に生えている植物。とにかくデカい!
主にアフリカ大陸の植物が集まっていて、厳しい環境の中でもこうして立派に育っている。逆に日本だと湿気がありすぎて育たないのかも?
温室の外にも南国風の植物。
次は熱帯雨林温室へ
順路によると、左側の階段を上って2階から入るようなので行ってみる。
おっ、これは触っても良いのか??
手書きの説明が可愛らしい。
入ってすぐのところに「現在の温・湿度計」がある。約35℃の40%。でも中に入ってもそんなに暑い!!って感じでもない。それもそのはず、今日は30℃を超えている日の午後。あれ?温室の窓が開いているってことは、外はもっと暑いのかもしれない。
熱帯雨林の温室だけど室内は日陰が多いので、外よりも温室のほうが快適に感じる。
トロピカルな気分。
所々に手書きの説明があって面白い。
2階から1階に降りて行くと、大きな植木鉢??これは何??
世界最大のランらしい。花が咲いていないし大きすぎてランだとは思わなかった。
上からではわからなかったけど、下に降りて歩いていると改めて植物の大きさを実感する。
ショクダイオオコンニャクを発見したが…
待望のショクダイオオコンニャクを発見したが……枯れている!?
ショクダイオオコンニャクの開花は気まぐれで数年に1度しか開花しない。「世界で最も大きい花」で「死体のような強烈な臭いで世界で最もみにくい花」とも呼ばれる…いろいろすごいな。
ショクダイオオコンニャクの生活サイクルの説明があったぞ。
2020年1月18日に開花したらしい。残念ながら現在は「葉が枯れる」状態だった。
土に入っている部分はこんな感じ。うーん、とにかくデカい。
真ん中の辺り。でろーんと鉢の外にまで伸びている。
先端。
熱帯資源植物温室へ
温室のドアや窓が開放されている。体感では外は温室より暑い気がする。
ハイビスカス、ブーゲンビリアなど南国の花はあるけど、個人的にはプルメリアが好きです。
「ヘリコニア・ビハイ・カメハメハ」背が高くて迫力満点。
「ヘリコニア・ロストラタ」南国にトリップした気分。
現在見ごろのアカバナナの説明には「長い茎の先に大きな花のかたまりがついています。茎の基の方にはバナナの実が房になってできています。(バショウ科)」とある。
おっきい!落ちることないのだろうけど、落ちたら大変!
こちらはチョコレートでおなじみのカカオ。花が咲いていたり実がついていないといまいちピンとこない。
「ツルイランイラン」も見頃のようなのだけど……蕾なのか?咲き終わったのか?かぎ爪のついた茎は確認できる。
水生植物温室へ
お次は地図上では「C」の水性植物温室。
うっそうとした熱帯雨林温室と違って明るい。
植物ごとに説明のプレートがあるけれどちっちゃい、水の中なので近づいて確認できない。
壁にはドーン!プラティケリウム・スペルブムという植物だ。面白い形状の植物は見ていて楽しい。
名前のプレートが中に埋まって半分隠れちゃってる。
今にも動き出しそうな雰囲気だ。大きいスペースでゆったり大きく育って気持ちよさそう。
魚がメインではなくて植物がメインな水槽だ。
さっきは「世界最大の花」だったけれど「世界最小の花」もある!
温室を出たところにはサトイモ!その名も「サトイモ・ザ・ワールド」だ。
葉に穴が開いていたりして可愛らしい。
外を見て回る
そばには「研修展示館」があって常設展示や企画展があったりする。(企画展があるときには常設展示がみれないことがある)
温室をじっくり見てたら、思ったよりも時間がかかってしまった…そのくらい面白かった。
さてさて、お次は…と歩いていると「ポインセチア」。冬に花屋さんで見かける鉢植えのイメージなので大きさにびっくり。
次はどこを目指すか?マップをみたら、ここで初めて敷地の広さに驚く。
約14ヘクタール?の敷地らしい。1ヘクタールは100m✕100m。なぜかよく比べるのに使われる東京ドームで置き換えると東京ドームはおよそ4.7 ヘクタールなので、約3個分ってことになる。あれ?そんなものか…って、いやいや十分大きいです。
だってまだこの辺しか見てないんですから…
どこまで見て回れるかわからないけれど、マップを見ながら池に行ってみる。
池に到着。植物に覆われてしまっている池の間に橋があった。折角なのでここを渡って行こう。
池には植物が茂っていて、水面はあまり見えない。
ここで写真は撮れなかったけれど、いろんなトンボに遭遇。赤いトンボに青いトンボ、さらには黒いトンボもいた。一緒に行ったトンボ好きは大興奮!
池を越えて奥に「砂礫地植物」の辺り。河原や砂浜に生える植物らしい。
「ハマナス」?「ハマナシ」?
実がなっている!
トマトっぽい?梨っぽい?
さらに林?の道をぐるりと歩くと「絶滅危惧植物温室」。
中には誰もいなくて貸し切りみたいでした。
さらにてくてく歩いて「温帯資源植物 東」でズッキーニなどを見ながら戻ってきた。
比較できるものがそばに置けないのでイマイチ大きさが伝わらないけれど、大きいです。30cmくらいありそうです。
温室を出てからは急ぎ足になってしまったけれど、園内を散策して最初のところに戻ってきて終了。思った以上に充実した時間を過ごすことができた。
筑波サイエンスツアーバス
出口を出ると、入ったときには気づかなかった、つくばサイエンスバスツアーのバス乗り場があった。
年季の入った看板だ。ちょっとこれでは詳しくはわからない。
調べたところ、つくばエクスプレスのつくば駅から、地図と測量の科学館、筑波実験植物園、つくばエキスポセンター、地質標本館サイエンス・スクエアつくば、筑波宇宙センターの5つの施設を循環するバスがあった。
興味がある人はこちらの動画や、HPに詳細があるので見て欲しい。
国立科学博物館 筑波実験植物園の基本情報
今回紹介した「筑波実験植物園」は茨城県。緊急事態宣言などにより施設の開館状況など変更することもあると思われるので、HPで事前によく確認していただきたい。
筑波実験植物園の良いところとイマイチなところ
「筑波実験植物園」は近くに行く用事があったら、訪れる価値十分だ。特に4つある「温室」は見ごたえがあってオススメ。
珍しい見たこともない植物や、海外に行った時にみられるような植物、花屋さん、観葉植物屋さんでみかけるような植物もあったりする。
1つ1つ説明を読んでじっくり見てまわるのもよし、南国気分でなんとなく歩いているだけでも楽しめると思う。
また一年を通して様々なイベントも計画されているので、いつ訪れても楽しむことができると思う。
1つ残念なのは、電車+バスでも行けるけれど、車で行くほうが圧倒的に行きやすいと思う。
簡単に良いところ、イマイチなところをまとめると。
冬の温室とかどんな感じなんだろう?また機会があれば訪れてみたい。